アメリカ異文化・南カリフォルニア体験ツアー

南カリフォルニア フォト便り

デスバレー国立公園

デスバレー国立公園は、周りを高い渓谷で覆われた砂漠の盆地なので、北アメリカで最も暑い地、最も乾燥した地、最も低い地として有名。 過酷な砂漠地帯であるが、地質学的に非常に興味深く、豊かな地層、鉱物、岩石の他、優雅な砂丘も楽しめる。 総面積は1万3158平方キロメートルで、何とアメリカの国立公園の中では最大。 ロサンゼルスから北東約330キロメートルに位置する。

デスバレー(死の谷)という名がつけられたのは、カリフォルニアで金鉱が発掘され、多くの人が金を求めてカリフォルニアにやってきた1849年のゴールドラッシュの時代、 あるグループが近道と思ってここを通った際、迷子になったあげく、あまりの過酷な環境の為、家畜を犠牲にしたり、実際に命を落とした人がいたりして、 やっと4ヶ月経ってこの地を脱出できた時に、その中のある人が、「グッバイ・デスバレー(さようなら、死の谷)」と言った事による。

デスバレー国立公園=北アメリカで最も暑い(熱い)地

デスバレー国立公園は、北アメリカで最も暑い地として知られる。 確かに、真夏にここを通れば死んでしまうのではないかという暑さ。 夏の日中気温は平均49度。夜になっても30〜35度という暑さ。 「暑い」と言うより「熱い」と言うのが適切かもしれない。 1913年には57度を記録しており、1922年までは世界中で最も熱い地としての記録を保持していた。 (ちなみに、2009年の夏にここを通ったある女性の車が故障し、11歳の息子が炎天下で死亡してしまった事がニュースになった。 と言うわけで、夏には絶対行かないように!)

デスバレー国立公園=北アメリカで最も乾燥した地

デスバレー国立公園は、北アメリカで最も暑いだけでなく、最も乾燥した地でもある。 ほとんど雨が降らず、年間降水量は平均5センチ、1929年と1953年には降水量ゼロを記録した。 生きるためには水が欠かせない。まさしくデスバレー(死の谷)と呼ぶにふさわしい。 このような過酷な砂漠地帯では生物もほとんど育たず存続も不可能かと思うが、 デスバレー国立公園の報告によれば、なんと51種のほ乳類、307種の鳥類、36種のは虫類、1000種以上の植物が生息しているというのでビックリ! (ほとんどは気候がマイルドな高地に生息しているが・・・)

デスバレー国立公園=北アメリカで最も低い地

北アメリカで最も低い地としてナンバー1、世界中で最も低い地としてもナンバー8なのが、このデスバレー国立公園内のバッドウォーターベイシン(悪水盆地)。 海抜下86メートルの地。最も低い地であるための条件として、海面以下の場所が乾燥して水で覆われずに現れている、と言う条件を満たしていないといけない。 という訳で、ここは真っ白な塩の平原が一面に広がる。 また、乾燥した砂漠地帯に珍しく水が見られるが、ここの水はその名(バッドウォーター=悪い水)の通り、塩が多すぎて飲めない。

ちなみに、デスバレー国立公園で一番高いのは、標高約3368メートルのテレスコープピーク。 ここと、一番低い海抜下86メートルのバッドウォーターベイシンとの標高差は、グランドキャニオンの2倍。 つまり、渓谷の頂上から渓谷の下の盆地までの深さが2倍という事。

デスバレー国立公園の観光

デスバレー国立公園は、その過酷な環境のため、夏の観光は絶対勧められない。 観光スポットには舗装された道路ではなくて土砂のでこぼこ道もあるので、四輪駆動車で行けたら観光スポットの幅も広がりベター。 デスバレー国立公園内にはたくさんのハイキングコースがあり、過酷な砂漠地帯、優雅な砂丘、地質学的に興味深い渓谷をハイキングして楽しめる。 有名な観光スポットは比較的近い場所に固まっているので、限られた時間でも結構見て回れる。

バッドウォーターベイシン(悪水盆地)

ここが北アメリカで最も低い海抜下86メートルの場所。真っ白な塩の平原が一面に広がる。向い側の山には海面の高さのサインがあるので、ここが海面からどれほど低いかが実感できる。塩が凝り固まった平原を歩くと、まるで堅い雪の上を歩いているようにシャリシャリと音がする。塩の結晶も見られる。一部水たまりがあるが、ここの水はその名(バッドウォーター=悪い水)の通り、塩が多すぎて飲めない。塩の固まりがプカプカ浮いている。

海抜86メートル以下の盆地 真っ白な塩の平原
海抜86メートル以下の盆地 真っ白な塩の平原
塩の結晶 塩だらけのバッドウォーター
塩の結晶 塩だらけのバッドウォーター

ザブリスキーポイント/ゴールデンキャニオン

デスバレー国立公園の風景は、南カリフォルニアからネバタ州につながるモハビ砂漠地帯がどのような過酷な環境かを見せている。と同時に、過酷な砂漠の渓谷が美しくあり得る事も見せている。ザブリスキーポイントからは、下に広がるゴールデンキャニオンという渓谷、その向こうに広がる盆地が見渡せる。ここからゴールデンキャニオンまで続くハイキングコースを歩くと、上から眺めた景色を今度は下から見上げる事ができる。

向こうに広がる盆地 ゴールデンキャニオン
向こうに広がる盆地 ゴールデンキャニオン
何とも言えない景色 下から見上げた景色
何とも言えない景色 下から見上げた景色

アーティストドライブ

デスバレー国立公園は地質学的にも非常に興味深い場所。その豊かな地層、鉱物、岩石のため、渓谷は植物がほとんど生息していないのにカラフル。アーティストドライブと呼ばれる一方通行の道は、そのカラフルな渓谷を楽しめる。本当にアーティストの絵の具のパレットのようにカラフル。トータルで30分くらいのドライブ。

カラフルな鉱山 絵の具のパレットみたい
カラフルな鉱山 絵の具のパレットみたい

モザイクキャニオン

デスバレー国立公園内の渓谷や盆地は、ただドライブして眺めるだけではなく、ハイキングしてクローズアップで見るともっと興味深い!モザイクキャニオンは、その名の通り、様々な岩石がまるでモザイクのように散りばめられている渓谷。渓谷を歩いて行くと、つるつるした大理石の上に、突然いろんな小さな石が土壌にモザイクのように散りばめられている地層があったりしてすごく不思議。一気に地殻変動が起きて大量の水が流れてできたとしか思えない。

渓谷の中をハイキング つるつるの大理石とモザイク地層
渓谷の中をハイキング つるつるの大理石とモザイク地層
上はモザイク地層で下は大理石 不思議な地層
上はモザイク地層で下は大理石 不思議な地層

デビルズゴルフコース

デスバレー国立公園の観光スポットは、そこがどういう場所かわかりやすい名前がつけられている。ここは、「こんな場所では悪魔しかゴルフできまい」と言う程でこぼこな、デビルズゴルフコース。湖の水が全て蒸発してしまったままの状態でそのまま残っているので、土が塩で凝り固まって珊瑚のような形をしている。堅くてギザギザなデコボコだらけなので、ここを歩く時には注意!

湖が干上がったでこぼこの地 土と塩の珊瑚みたい
湖が干上がったでこぼこの地 土と塩の珊瑚みたい

メスキート・フラット・サンドデューン

デスバレー国立公園には5つの砂丘があるが、一番有名で訪問者の多い砂丘が、このメスキート・フラット・サンドデューン。ほとんど生物の育たないデスバレー国立公園だが、ここにはメスキートの木(バーベキューによく使われる木)が生えている。朝のサンライズ、夕方のサンセット時には、優雅で落ち着いた砂丘の風景やコントラストのある綺麗な砂模様の写真が撮れる。砂丘を歩きながらよく見ると、砂の上に野生動物の足跡が残っていたりする。

朝焼けの優雅な砂丘 砂丘の中のメスキートの木
朝焼けの優雅な砂丘 砂丘の中のメスキートの木
綺麗な砂模様の砂丘 砂丘の上からの景色
綺麗な砂模様の砂丘 砂丘の上からの景色

ソルトクリーク(塩の小川)

デスバレー国立公園の砂漠の中に流れる小川。小川沿いに木の遊歩道があり、散歩して回れるようになっている。とにかくここの水は塩分が高いので、よく見ると小川の両側の土に塩が噴き上がっているのが見える。春にはこの小川で、こんな塩分が多い水の中でもたくましく生き残っている珍しい魚(メダカ科の魚)が見られる。

砂漠の中の塩の小川 土に塩が噴き上がっている
砂漠の中の塩の小川 土に塩が噴き上がっている

« 南カリフォルニアの国立公園と州立公園 へ戻る
« 南カリフォルニア フォト便り TOP へ戻る

ONLYONE PRODUCTS, INC.
16428 Vista Roma Cir. Huntington Beach, CA 92649
お問い合わせ